海外駐在員枠に応募し、書類選考が通りました。そして、次は面接となります。
ここでは、面接を突破するためのコツについて書いていきます。
ハッキリ言って、海外駐在員枠は、希少価値が高く、ライバルにすごいキャリアを持っている人が多いので、何の準備もなく面接に臨むのはNGです。
逆に言うと、しっかり準備をすれば、勝てる可能性が高まります。
それでは、どのような準備をすればよいのか、面接対策について紹介していきます。
面接Q &Aを事前に書き起こす
面接で聞かれることは大体決まっていますので、事前に質問を考え、回答を用意しておくと良いです。
大体以下の事を聞かれます。
- これまでの職務経験
- 志望動機
- 強み、弱み
- あなたはどんな性格なのか?
- 転職理由は?
- 入社したら何ができるのか?
- 苦労したこと
- 一番成功したこと
- 一番失敗したこと
- 仕事で一番大切にしていること
- その他、業務経験に関する細かな質問
面接は、大体30-40分ぐらいなので、聞かれる質問は20~30個ぐらいです。
質問の中には、Yes、Noで答える質問も含まれているので、実際に考えて答える質問は、10個から15個ぐらいと思われます。
20から30個の質問に、しっかり回答できたら、
あなたは勝者です!!(笑)
各質問に対してどう回答すればよいのか?
さあ、実際に、質問に対する答えを考えてみましょう。
これまでの職務経験
職務経験を問う質問については、職務経歴書に書いてある事を説明すればOkです。
ただ、説明の仕方は工夫しなければなりません。簡潔に時間軸に合わせて説明する事が重要です。
時間軸が入れ替わると聞いている方は良く分からなくなるので、時間軸にあわせて説明してください。
時間としては1分以内に答えるのが良いと思います。
この質問だけではないのですが、質問に対する回答は1分以内が基本です。
長くなると聞き手も疲れてきます。
また、もし、職務経歴書に所属していた会社を全て書いていない場合は、説明の時にはきちんと説明してください。
転職はネガティブなものと判断する面接官もいるので、転職について話す時には、◯◯のために転職してとポジティブな理由で説明していくと良いでしょう。
例えば、
AAA社で新商品を企画し、東南アジア向けに初年度で3億円の販売実績を残しました。その後、グローバルでの経験をさらに積みたいと考え、グローバル企業のBBB社へ転職して・・・
とこういう形です。
1分で簡潔に話せるように練習してみてください。
転職理由についての答え方はあとで出てきますので、そこでもしっかり説明していきます。
志望動機
志望動機は、最も面接で重視される質問の一つです。
企業はなぜうちの会社を希望するのか、必ず聞いてきます。
アンマッチだと、企業側が心配し、採用を躊躇する可能性があります。
例えば、国内のポジション応募したにもかかわらず、海外ビジネスを希望するなど、これは完全にアンマッチです(笑)
それから・・・
だって、「彼女からあなたの事だけが好き」と言われるより、ここも、ここも、ここも好きと言われた方が嬉しいですよね?(笑)
企業にとっても、これも、これも、これも、と言われた方が企業の事を良く調べていて、入社の意思が高いと感じますので、うれしいです。
このため、志望動機は3つ考えてください!
志望動機を3つ考えたら、説明は、結論から入り、後付けで理由を説明するようにしてください。
例えばこうです。内容は例なので気にしないでください。
【質問】なぜ、当社を志望するのですか?
【回答】3つの理由があります。
1つ目は、御社に入社すれば、グローバルビジネスをより多く経験できると思ったからです。御社は海外に積極的に進出しており、海外売上高比率も70%を超えております。海外ビジネスの機会が多いと思っており、私の得意の英語力で、御社のビジネスをより拡大していきたいと思っております。
2つ目は、責任ある仕事を担いたいためです。御社は大企業で、売上規模も大変大きいです。私はこれまで営業責任者としてやって売上20億円の成果を出す事ができましたが、御社に入り、もっと大きなビジネスを責任あるポジションで担いたいと思ってます。
3つ目は、製造業に入り、日本製の良いものを海外に広めていきたいと思っています。やはり日本の強みは製造業であり、日本がグローバルで打ち勝っていくには自ら製造業に所属し、自社、日本のビジネスのために全力を注ぎたいと思っております。
例えばこうです。内容は、応募企業に合わせて変えてください。
重要なことは、企業が目指している方向と自分の志望動機が合っているか、志望動機は3つとし、結論から入り、理由へ説明するのが良いです。
強み・弱み
強みは、会社に入った後に、この人物は能力を発揮できるか? 判断するための質問です。
逆に、弱みは、弱みを持っているかではなく、きちんと自己分析ができる人なのかを見極めるために質問します。
強み
強みについても、志望動機と同様に複数用意しておく方が良いです。それから、結論から入り、その後に理由を説明するやり方が簡潔で分かりやすいです。
例えばこうです。
【質問】あなたの強みを説明してください
【回答】私の強みは4つあります。
1つ目は、IT業界の経験です。IT業界は10年の経験があり、ITベンダーとしての導入作業の経験だけでなく、お客様情報システム部としてベンダーの作業管理をする両方の経験を持っていることが強みです。
2つ目は、プロジェクトマネジメント経験です。プロジェクトマネジメントの資格も保有しており、50個以上のプロジェクトを成功に導いております。100人月以上の大規模プロジェクトを責任者としてマネージした経験も私の強みです。
3つ目は、海外ビジネス経験です。海外は、中国駐在を2度、計8年経験しており、異なる文化や習慣を持つ国のスタッフを100名以上マネジメントした経験も強みの1つです。
4つ目は、新しい事へのチャレンジ精神です。世界初となる難しい技術的な案件も前職では経験しており、ビジネスを立ち上げ、3年で10億円まで伸ばしました。この結果、2年6ヶ月で主任から課長、部長と前例のない3段階の昇進を成し遂げております。仕事に対してチャレンジングな性格も私の強みの1つです。
いかがだったでしょうか?
弱み
続いて弱みについてです。
弱みは、強みの裏返しで説明するのが良いと思います。基本的にはネガティブな内容なので、それに対して、どのように改善や気を付けようとしているかを補足するとよいでしょう。
例えば、「好奇心旺盛な性格が強み」である場合、こういう風に補足していきます。
弱みは、好奇心旺盛な性格です。いろんなところに首を突っ込みすぎて、幅を広げすぎて手が回らなくなり、周りに迷惑をかけてしまった事がありました。これについては、やるべき事以外に、やらなくてもよい事も棚卸するようにしており、今やらなくてもよい仕事は、後ろ倒しにするかやめるように常日頃から気を付けています。
このように補足する事で、弱みをネガティブなものにならないように説明する事ができます。
間違っても弱みはありませんとは言わないでくださいね(笑)
NGワードです。弱みがわからない人は、自己分析不足です。
なので、きちんと答える事、ネガティブなものにならないように補足する事がポイントです。
あなたはどんな性格なのか?
海外駐在員は、向き不向きがあります。後ろ向きな性格や、悲観的な性格、好奇心旺盛ではない人などは残念ながら向いていません。
性格は、職務経歴書や履歴書に書かれない項目なので、面接で見極められる事が多いです。
もし、質問をされたら、きちんと答えましょう。
ただし、嘘はいけませんよ(笑)
<海外駐在員向きの性格>
- 前向き、楽観的
- 主体的
- 好奇心旺盛
- チャレンジング
また、ただ単に性格を言っておしまいではなく、何かエピソードがあればもっと良いと思います。
例えば以下のような形となります。
【質問】あなたの性格を教えてください。
【回答】私の性格はチャレンジングな事です。誰もがやったことのない事にチャレンジし、先に実績を残したいと思う気持ちが強いです。前職では新製品を立ち上げ、初年度に3億円の売り上げを成し遂げました。新製品は、今では会社の事業計画の中心に位置づけられており、会社のビジネス拡大に大きな貢献ができたと思っております。
転職理由は?
これも良く聞かれる鉄板の質問です。
やってはいけない事は、会社や上司・同僚の悪口や給与など、ネガティブな事を言うと嫌われる事が多いです。
ポジティブな言い方としてはこんな形です。
- グローバル経験をもっと御社で積みたいと思ったから
- 責任あるポジションでプレッシャーを抱えながら働きたい
- 自身のスキルアップにつながると思ったから
逆にNGワードは以下となります。
- 給与UPしたいと思ったから
- 生活費に困ったから
- 前の会社で上司と合わなかったため
- 環境を変えたいと思ったため
- 前職はブラック企業だったから
これは完全にNGワードです(笑)
給与UPは、日本の企業の面接で言うのはタブーです。
転職エージェントに正直に言う分にはよいのですが、面接官に言うのはやめてください。
あと、良くある「環境を変えたいと思ったから」。これもNGです。
理由が良くわかりませんし、転職先の企業でもまた同じことを言いだす可能性があると思うからです。
入社したら何ができるのか?
この質問の意図は、あなたが会社に入社したら、会社にとってどんなメリットがあるのか? を聞いています。
そんなの面接の場で判断しろと思いますが(笑)
私の経験上、他の応募者と甲乙つけがたい状況に陥った時にこの質問を出します。
面接官も悩むんです(笑)
応募者の回答も1つの判断にしようと考えます。
この質問の回答ですが、実はそれほど難しくありません。
先程説明した「強み」を言葉を変えて、もう少し簡潔に、説明すればよいと思います。
強みが「IT業界の経験」、「プロジェクトマネジメント経験」、「海外ビジネス経験」、「チャレンジングな性格」なら、こんな感じでしょうか。
私は、これまでのIT業界でのプロジェクトマネジメント10年の経験や2度の海外駐在、8年経験を活かし、御社の海外ビジネスを拡大する事に貢献したいと思っております。また、チャレンジングな性格ゆえに、新規事業も大きく伸ばしたいと思っており、また自信もあります。
苦労したこと
この質問は、困難に対して、どのようにリーダーシップをとって解決してきたのかを問う質問です。
このため、困難と解決に向けたアクションをセットで回答します。
できれば、自分で解決するよりは、リーダーシップを発揮して、自分の組織や他部門を巻き込み解決していたという回答が良いと思います。
例えば回答案です。
過去にお客様のIT導入で、大障害を起こした事があります。障害復旧を迅速に行うために、メーカーや保守運用部門と調整後、緊急対策本部を立ち上げました。私は、本部のリーダーとして、問題解決を指揮しましたが、仕事は、深夜までかかる事もありましたし、意見が纏まらず議論が熱くなる事もありました。皆の目線を合わせ、いち早く復旧する事に尽力し、お客様の業務影響を最小限とし、短期間で復旧までできました。これは当時本当に苦労した事です。
一番成功したことは?
応募者の成功体験をどのようなプロセスで進めたのかを問う質問です。
「成功体験には再現性がない」といわれます。
ただし、プロセスがしっかりしている人の成功体験は、再現性が高いと私は思っています。
何で成功したのか? どうやって成功に導いたのか? その時にどのようなリーダーシップを発揮したのか、このような簡単で説明すると良いと思います。
どうやっての部分については、一般的に以下の3つがあります。
- アイデアや工夫を凝らして実現
- 必死に努力して実現
- 組織を動かして対応
海外駐在員向けの求人の場合は、3つ目の組織を動かしてリーダーシップを発揮する事が一番評価されると思います。
ただ、海外駐在員は人手不足でプレイングマネージャ的に働かなければならない企業もあるため、1つ目のアイデアや工夫も重要な要素です。
例文を見てみましょうか。
私の一番の成功体験は、新商品を企画開発し、いち早く中国市場に投入し、中国でのマーケットシェアを獲った事です。製品投入時は、中国には類似製品もなかった、本製品でお客様のどんな問題を解決するのか?から始め、テスト導入を経て、第一号のお客様を取り付ける事に成功しました。その後、迅速に販売や技術チームを立ち上げ、拡販に成功し、中国のマーケットを作るまでに至ってます。その時、自分の中でうまくいったことはスピード感を持った意思決定と社内の反対を押し切り、チャレンジした事です。これらの体験は私の財産になっています。
一番失敗したことは?
こちらの質問の意図としては、失敗から何を学んだか、学習能力があるのかを問う質問となります。
「失敗はありません!」
これはNGワードです(笑)
過去の失敗を堂々と説明し、学んだことを答えていきましょう。
以下が例となります。
過去に最も失敗した事は、大型システムの導入プロジェクトで1か月の納期遅延を起こした事です。プロジェクトの納期をメンバーに見積もり承認しましたが、作業ごとに見積り精度にバラつきがあり、1か月遅延してしまいました。お客様へ真摯に対応し、1か月でリカバリしましたが、当時の失敗を二度としないように、チェックリストの整備、レビュー、メンバーへの教育などをしっかり行うように変えました。それ以降、10件のプロジェクトを管理しましたが、納期遅延は一度も起こしておりません。
ポイントは、どのように改善したのか、その後、他の業務で改善ができているのか? ですね。
この辺を意識して、回答案を作ってみてください。
仕事で一番大切にしていること
仕事のポリシーを問う質問ですね。
何を大切にしているのか?
こちらの質問は複数の回答案があると思いますが、回答に正解はありません。
きちんと答えることが重要かと思います。
例えば、以下の答えがあると思います。
- お客様を喜ばせ、感動を与えることを重視。お客様ファーストである
- 誰もがやっていないことをいち早くチャレンジしたい
- 皆で協力しながら成果を出す事にこだわっている
その他、業務経験に関する細かい質問
職務経歴書や履歴書に書いてある事に関する細かな質問となります。
履歴書や職務経歴書は、しっかり理解し、覚えておくことが重要です。
間違っても、履歴書や職務経歴書の内容と間違った答えにならないようにしてください。
また、Yes/Noで問う質問についても、「はい」と答えて終わりではなく、その理由も答えるようにしてください。
「はい」、その理由としては・・・ という回答の仕方ですね。
結論から入る事で、聞き手は知りたいことを最初に知った上で、詳しい内容を理解する事ができます。
面接の時に持っていくもの
面接の時に持っていくものについて紹介したいと思います。
新卒の面接ではなく、ハイクラスの駐在員枠に応募するため、常識にとらわれる必要はありません。
私はいつも以下を持っていくようにしています。
- 職務経歴書
- 履歴書
- ノート
- 筆記用具
- ビジネスプラン
1つ目から4つ目までは、一般的なものかと思います。
5つ目のビジネスプランですが、これは絶対に入りたい会社の場合、私がやりたいことを纏めて資料として持参します。
入社前で情報不足の中、纏めた資料が相手業務に合うのかはわかりませんが、意気込みと資料作成能力などをアピールするためです。
面接の服装
中途採用になりますので、スーツやジャケットなど自由かと思います。
私はいつもお気に入りの紺のジャケットに、スラックスで臨みます。
中途採用の面接では、相手にインパクトを残すことが最も大切だと思っており、 服装にはこだわりを持っています。
このため、服装はブランドもののジャケット、カバンも青色や茶色のもので臨むようにしています。
スラックスはユニクロですが・・・(笑)
髪の毛は黒髪です。茶髪は嫌がられる場合がありますので(笑)
少しラフな格好ながら、ネクタイはきちんと締めます。
メリハリをつけることが大切かと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
かなり長くなってしまいましたが、海外駐在員向けの面接対策について纏めてみました。
今回のポイントは・・・
- 面接前に事前対策としてQ&Aを纏めること
- これまでの職務経験や志望動機、強み弱みはほぼ100%聞かれるので、回答を用意しておきましょう
- 志望動機は時間軸で完結に1分で説明する事
- 志望動機は、 企業が目指している方向と自分の志望動機が合っているか、3つ答え、結論から入り、理由を後から説明するのが良い
- 強みも複数回答を持ち、結論から入り、理由を後から説明するのが良い
- 弱みは、ネガティブなものにならないように補足すること
- 性格は?と聞かれたら、海外駐在員向けの性格をエピソードを交えて回答
- 転職理由はポジティブなものを
- 入社したら何ができるのか? 強みをもとに簡潔にまとめること
- 苦労した事は、困難に対してどうリーダーシップを発揮したのかエピソードもつけて回答
- 成功体験を聞かれたら、結果よりも成功に至るプロセス重視で回答
- 失敗体験を聞かれたら、失敗から何を学び、学習能力を答えること
- 仕事上のポリシーは、こだわることを1つ考えておくこと
- 職務経歴書と履歴書はきちんと覚えておくこと
- 面接に持参するものにビジネスプランを入れるとなおよい
- 面接の服装は、こだわりを持つこと、目立つこと
以上です。