海外赴任を経験すると、帰国したときには家が建つ! そんな噂もよく聞きますが、実際のところはどうなんでしょうか。
ここでは、海外駐在員の給与について紹介していきます。
海外駐在員になると給与は増える?
結論としてYesです! 海外勤務の給与は、通常、同じ社員が日本で働いている時の給与よりも高く設定されています。
海外駐在員の給与相場は、海外勤務の各種手当などを含めると、1.5倍から2倍、場合によってはそれ以上になるといわれています。
例えば、日本での額面年収が500万円であれば、750万円から1,000万円。年収1,000万円であれば、1,500万円から3,000万円までアップするということです。
これはすごいですね・・・
そりゃ、海外駐在員、人気ありますよ。
なぜ、日本に比べて給与が高くなるのかと言うと、海外勤務手当などの様々な手当が付き、しかも一部の税金が免除されるためです。
海外駐在員の給与
海外駐在員は、基本的には現地の国で受け取る現地通貨の給与と日本で受け取る日本円の給与の2種類があります。
- 現地で受け取る現地通貨の給与
- 日本円で受け取る海外勤務手当など
それでは、細かく見ていきましょう。
現地で受け取る現地通貨の給与
現地で受け取る給与は、赴任先の物価指標や為替、インフレ変動などを反映させた購買力補償方式と言われる計算式により計算されます。
購買力補償方式とは、赴任元の購買力を赴任先でも維持できるようにサポートする仕組みで、簡単に言うと、日本よりも生活費が高い国であれば、生活費が多く必要になるため、その分、給与として受け取れる金額は日本よりも高くなるという形になります。
生活費の高い国に赴任すれば、見かけ上、もらえる給与も増えるというわけです。
逆に、生活費の安い国に赴任すれば、給与は日本とそれほど変わらなくなってしまいます。
ただし、かかる生活費がそれほど多くないので、貯蓄はしやすいと思います。
日本円で受け取る海外勤務手当など
海外駐在員は、日本でも給与をもらう事ができます。
ここでは、日本で受け取る各種手当について説明します。
- 海外勤務手当
- ハードシップ手当
- 単身赴任手当
- その他の手当て
海外勤務手当とは
海外勤務手当とは、海外赴任に対して支払われる手当となります。
日本本社に入社した場合、通常であれば、日本で生活しているかと思いますが、社命により海外赴任する形となるので、慣れない中で仕事や生活を送るため、海外赴任そのものに対して手当として支払われます。
相場は、会社によると思いますが、毎月2万円~30万円ぐらいではないかと思います。
毎月一定の固定額が赴任する国とは関係なく、支払われます。
私が知っている最小金額は2万円です。
ITベンチャー企業なのですが、海外展開が当たり前になる中、海外駐在員を特別扱いする事なく、少し上乗せの2万円が支給されます。
逆に、私が知る中で最も多い業界は銀行です。
30万円近くを海外駐在員手当として支給されています。
ハードシップ手当とは
続いて、ハードシップ手当です。
ハードシップ手当とは、危険国手当とも呼ばれますが、 赴任先での仕事や生活に対し、会社が危険を伴うと判断した場合にもらえる手当となります。
金額は赴任する国によって異なり、一般的には発展途上国になればなるほど生活の便が悪く、もらえる額が多くなります。
毎月5万円もらえる国もあれば、毎月50万円以上も増える国もあります。
逆に先進国の場合、手当無しという場合もあります。
私が知る最高額は、毎月50万円で赴任国はバングラディッシュです。
ただ、アフリカに進出している企業はもっと多くもらえるのではないでしょうか?
単身赴任手当とは…
続いて、単身赴任手当です。
単身赴任手当とは、単身赴任者に対し支払われる手当となります。
単身赴任者をすると、赴任元と赴任先でそれぞれ生計を立てる必要があります。
2か所で生計を立てる場合、独身者や妻帯者に比べてお金がかかるため、手当という形で支払われます。
手当だけを見ると、妻帯者よりも単身赴任者の方が多くもらえる形になりますね。
相場は、5万円~20万円ぐらいだと思います。
私の会社では10万円ぐらいですが、金融業界では20万円近くもらっていると聞いています。
その他の手当て
会社にもよりますが、他にもこのような手当があります。
- 住宅手当
- 子供の教育費手当
- 医療手当
これらの手当は、現地で消費するため、主に現地通貨でもらう形が多いと思います。
それでは、内容について細かく見ていきましょう。
住宅手当
住宅手当は、住居を借りるために手当として一定額を支給する手当となります
こちらは、住居の相場によって支払われる金額が変わる事から、住む地域によって手当の金額は変わります。
また、会社によっては手当は無しとし、会社が住居を借りて社宅として社員に提供する場合もあります。
子供の教育費手当
子供の教育費手当は、現地での幼稚園、小中高に通う際の手当の事です。
一般的に、小中高の場合、現地に日本人学校があれば、日本人学校で発生する教育費やバス代などが手当として支払われます。
給食費は、日本でも自己負担のため、会社負担にはなりません。
また、海外では、子供が一人で歩いて通う事はほぼないため、バスで通学します。
このため、バス代もあわせて教育費手当として支払われることが多いです。
また、幼稚園の場合は、各社で対応が異なりますが、一定額を自己負担し、その金額を超えると会社負担とするケースが多いようです。
一定額とは、日本の公立幼稚園で発生する毎月1万円~3万円です。
この金額までを自己負担とし、それ以降の上限を会社負担とする形になります。
自己負担の金額が少ないため、海外のインターナショナル幼稚園に通学させる家庭が多いかなあと思います。
医療手当
医療手当は、現地で発生した医療に対する手当です。
医療費について、手当として支給する場合と手当は無しとし、現地の医療サービスを会社が契約し、社員に対して提供する場合の2パターンがあると思います。
医療費は、国によって負担額が異なりますし、日本に比べて高額になるため、多くは、医療サービスを契約しているケースが多いと思います。
医療手当として支払うケースは本当に稀です。
手当の多い業界は?
手当は、会社によって支給額が大きく異なります。
では、どの会社が手当を多くもらっているのでしょうか?
私がこれまで見た限りですと・・・
歴史のある大手企業や金融機関が多く手当をもらっていると感じております!
大手企業や金融機関は、仕事の責務も多く、また何か事件や事故に巻き込まれた時の国や社会に対するインパクトが大きく、手当の支給額は多めに支給される傾向があります。
特に、多い業界は、金融機関や商社、自動車メーカーのトップ企業だと思います。
彼らは、昔から多くの駐在員を海外に派遣していますし、事件や事故に巻き込まれた時の社会インパクトも多く、海外駐在そのものに多くの手当を支給します。
逆に、歴史の浅いベンチャー企業はあまり手当をもらっていない傾向があります。
日本で働くのも海外で働くのも同等の扱いにしているのが理由だと思います。
まとめ
海外駐在員の給与は、現地で受け取る現地通貨の給与と日本で受け取る日本円の給与があります。
現地で受け取る現地通貨の給与は、購買力補償方式により、物価指標や為替、インフレなどを考慮した金額が計算されます。
日本よりも生活費が高い国であれば、一般的に給与は増えます。
日本でもらえる手当については、海外勤務手当、ハードシップ手当、単身赴任手当などがあります。
その他、住宅手当、子供の教育費手当、医療手当など、生活に必要な手当も現地通貨でもらう事ができます。
手当が多い業界は、金融機関や商社、自動車メーカートップ企業などです。
こうした企業を選び、転職活動を通じて海外駐在を目指すとよいと思います。